結婚公論

結婚は宝くじのようなもの

For Women

「結婚は宝くじみたいなもの」と伯母は私に言った。

いつ頃のことかは記憶に薄い、まだ結婚を考える年にもなっていなかった筈だが、何故か印象に残り今でも記憶している。

「それで伯母ちゃんは宝くじに当たったの?」とは尋ねてはいないが、軽く微笑んでいたと思う。子供が4人、孫が8人。賑やかな一族になって行ったのでそれはそれで当たりだったのかも知れないと思う。

私が驚いたのは、80代になった伯母が自転車、JR、バスを乗り継いで片道1時間30分かけ、しかもJRは定期を買って毎日、植物人間状態に陥った伯父のお見舞いに行っていた事だ。反応のない伯父の手をさすりながらずっとベッドの傍で話しかけていたそうだ。約2年続いたが、この時間も幸せだったと伯母は言っていた。

 

宝くじは、買ってから発表を待つ間に夢を見ることが出来るというが、結婚の宝くじはいつ発表になるのだろう。3年後か5年後か、はたまた銀婚式・金婚式を迎えた時か、いやそれは毎日かもしれない。毎日毎日この人といられて幸せと感じる事が出来るか、全くその逆か。相手が旅立った時に振り返って、私の結婚大当たりだった!大外れだった!と判るのかも知れない。それは個人の感じ方考え方だ。だったら発表まで良い結果になるようお互いが毎日積み重ねようと私は思いたい。

 

年末ジャンボ宝くじが売出されているこの時期に、いつも冒頭の伯母の言葉を思い出す。

でも、確かにひとつ言えることは「宝くじは買わないと当たらないのだ」

 

カウンセラー 佐伯直美

2020.12.08

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